色に香りに摩訶不思議



「うふふ、ごめんなさい。あんまりハサマ君がイイ匂いだから……あたし、ついつい」

 ――うわ、年上の色気たっぷりな妖しい笑顔とかで見詰めないでほしいんだけど……

 生徒会長の上條麗子さんは三年生であり、一年生のボクからすれば二つも年上の彼女に年上の色気を感じずにはいられないなんてことは内緒ばなし。

 ――思春期だし、二歳の差はデカイし……

 そう、この年頃の二歳の年齢差はトテツもなくデカイものだったりする。

 ――昨日まで中学生だったみたいなボクとさ、明日から大学生みたいな上條麗子さんとさ、そりゃ子供と大人みたいな差がアリアリなお年頃だし……

「同い年の鴇田倫子さんには皆無な年上の色気、言うなれば、ガールとレディくらいに違う色気といえば解り易いかも」

「は? ハサマ君、何を言ってるの?」

「え? 鴇田さん? あはは! 気にしない、気にしない」


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