kenka2
「あたしが相手になろう」

憂は去年とは違く、全然愛想の
ない女性になっていた。
小手調べに薫は椅子を
投げるが、憂はそれをよけて
蹴りを入れた。その足をつかみ、
ニヤッと笑うと薫は憂を殴った。
憂の肩をつかんで頭突きをすると、
もう一回殴って、殴られて、殴って、
憂を床へ押え付けた。

3,4発殴ると、
憂はもう戦えないほど息が
荒くなっていた。

薫は立ち上がり、1年に言った。
「もっと上の奴はいねーのか?」

同じ学年ながらも
薫にビビって震える一年達。
「まあまあ」
そんな薫の肩をつかみ、
ユウは自ら前に出た。

「お前…また、進級しなかったのか」
「生憎、君たちみたいな雑魚と
3年になるつもりは無かったんでね」
繭と憂を交互に見ると、ユウは言った。
「宮崎を出してくださいよ」

< 10 / 113 >

この作品をシェア

pagetop