kenka2
「今日は欠席ですわね」
「ふざけるな。時間がねぇんだよ、
私には…」
薫は手を握り締めた。
すぐにカッと目を見開くと、
波留を睨む。

「まあまあ、落ち着け」
ユウが薫を見て言うと薫は
余計不機嫌さを増して怒った。

「お前は私の協力者だろ?!
何故私に命令する?」
「お前を思って言ってるんす。
焦っても良い事なんて無いっすよ」
「…ふん」
薫は腕を組み、波留を睨みつけている。
それに気づいてはいるものの、波留は
薫を睨もうとはしない。

「あと一人はいつ来ますかね?」
「明日だったら来ると思いますわ。
今日は事情があって、頭と動いてる
だけですから」
「ついでに頭さんも」
「あの人は…」

寂しげな表情をすると、波留は
目を閉じてから言った。

「あの人は当分、帰ってきません」
「どういう事だ!?」
乱暴に薫が波留に話しかけるが、
波留は笑顔で対応する。

「頭ですもの、色々あるのです。
もし貴方がたが無理やりにでも頭を
呼ぼうとするなら…」
ゾッと、鳥肌がたつ薫。
波留が思い切りユウを睨んでいた。
ユウはびくともせず、微笑んだ。
「そんな事しないっすよ、安心して
ください。ただ約束は約束っす。絶対に
戦える日を作ってください」
「安心してください、あの方と戦う前に
貴方がたを私がとめますわ」
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