kenka2


5分もしないうちに勝負はついた。
血まみれの手を握り歩き始めるユウ。
後ろから足音が聞こえた。

「最強軍団の方、すか?」
ユウは恐れずに、後ろにいる
謎の少女に話しかける。
「…用は何だ?」
奈央の声だった。
即座に振り向くユウ。

「久しぶりっすね。宮崎」
「…ユウか」
奈央の視線がユウにむいた。

「あんたと戦うのは、今は
まだ遠慮したいんすけどねぇ。
一番面倒なものは、最後に残す
癖があるんでね」
「何を言っている?」
奈央は歩いてユウを横切る。
様子が可笑しい。ユウは奈央を
見ると、奈央は思いつめたような
顔をしていた。

「あたしは、藍の抜けた穴を
埋めただけだ。3番手だけど?」

「3番手?」

ーという事は、波留って奴と
残るてっぺんの方が宮崎よりも
強いって事か…?
でも新入りが強い訳ない。
強いとしても、学年や去年の
事を考えると宮崎だろう。
何故宮崎が頂点じゃ無いんだ…?
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