kenka2
「次の相手は宮崎か?」
コクリと頷く波留。
利津は厳しい顔をして拳を握った。

「また、しばらくココを開ける。
その間はお前が呉羽を守ってくれ。
宮崎にはここにいて貰って構わない。
何かあったら連れていくけどな」
「分かりました」
利津は出ていった。

憂はボーッとしていた。
「…直先輩…」
「見た目はそっくりやけど…
直先輩とは違う冷たい人やったな」
やはり悲しくて憂に同情する繭。
無理もなかった。

「あの方は、不器用なんですよ」
慰めるように波留は繭の肩を叩く。
憂に向かって笑顔を向けた。

「何で…さっき、ひどい事言ったのに」
「あなた方の言った事は当たっていますわ。
私は新入りで最強軍団に入ったんです。
好かれなくて当然ですわ。…でも、呉羽を
守りたい気持ちは変わりません」
「波留…あたし、お前を誤解してたかも」
「私もですわ」
ニコっと笑う波留。
「…そういえば、宮崎は?」
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