kenka2
「そうや、ずっと気になってた。
何で宮崎が頂点じゃないんや?」
「彼女は…使命があるからです。
頭とは違って、もっと複雑で悲しい…」

3年1組の廊下。
菜央が血まみれで立っていた。
倒れている警備と、5人ほどの一年。
まだ荒々しく息をしている。

「ゴホッ…てめぇ…」
「上に行きたいなら、諦めろ。今年は
このメンバーじゃなきゃ駄目なんだ…」
その言葉の片隅には、寂しさが隠れていた。

「…ですよね?直さん…」
奈央の視線の先には、教室から
出てきた利津が居た。
「…利津だっての」
奈央の元へ近付くと、ヤンキー達を
見てから顔を上げる利津。

「準備体操が出来たなら行くぞ。
今日も、戦争は終わらねぇ」
「…はい」
二人はどこかへ消えた。
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