kenka2
鋭くその言葉に反応すると、
憂よりも先に波瑠はがナジカの胸倉を
つかんだ。驚いて波瑠を見るナジカ。

「自分の立場が分かってないみたいですね…
呉羽の人間は、あなたを許した訳ではありません。
直の件、忘れたとは言わせない…」

初めて見せた、波瑠の憎悪の顔。
ナジカは慌てて後ずさると波瑠は手を離す。
ナジカは走って何処かへ消えた。

「お前は、一体…」
憂が不思議な顔をして波瑠を見ると、
波瑠は苦い顔をして憂の方を向く。
口を開き、憂に何かを伝えた。

「おはよっ山田!」
一年坊が勇気を出して話しかける。
薫は読んでいた本から一瞬目を放すと、
「あぁ」と言ってまた読み始めた。
ホッとして席につく少女達。

怖がられてる方こそ薫だが、話しかけたく
ないのはユウだった。

「…まだかよ、アイツ」
また本から目を離すと、舌打ち。
苛立ちながらユウを待つ薫。
いつもの時間になってもユウが来ない。
ー遅刻でもしたのか…??
そう思うと、また本を読み始めた。
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