kenka2
ユウは呉羽の前にある川の
岸辺に横たわり、空を見ていた。
「直…今思えば御人よしだった」
口ではそんな事を叩いていても、
利津を見てから、ユウも直を思い出して
やまなかったのだ。直と共に歩んだ者にしか、
この気持ちは分からないであろう。
「何でユウは、最強軍団を目指したんだろ」
自分の目的を思い返し、考えていた。「
なあ…直?
お前は何を思って、死んでいったんだ?
「ここにいたのか・・・」
ふとユウが腰を上げると、
薫が横に座り込んで横たわった。
「探してくれたのか?」
「お前がいなきゃ活動できないから」
「…そうっすね」
ユウはため息をつくと目を伏せた。
「話を聞いて何となく思ったよ。
直って奴は皆から好かれてたんだな。
私も怠慢してみたかったよ」
薫の口から直が出たことに驚くユウ。
「タダの馬鹿だと思ってたっす」
「失礼な奴だ。先輩には興味あるからな」
子供のように、薫は笑った。
「ちょっとした昔話を話してやる」
笑いながらユウは手をパチンと叩く。
明るい顔をしながら、薫と目線を合わせる。
「随分と偉そうだな」
嬉しそうに薫も話を聞く。