kenka2
「頭を出したら、何をする気ですか?」
「うちら、鵺高の下僕になってもらう」
「あら。宣戦布告ですか」
「そういうこった」

全員が一足踏み込んで波瑠を睨むが、
波瑠は微笑むと前に居た女性の
肩をポンと叩いた。

「何がおかしい?」
そう言った不良は、すぐに怯えだした。
波瑠は笑顔から真顔になり、先ほどより
何倍も迫力も持つ瞳で睨んでいる。
「なめないでください」
その女性が波瑠を見た一瞬の隙に、
思い切り蹴りつける。

「うぐぉっ」
女性は痛そうにお腹を抑えて、しゃがみ込んだ。
「てめぇっ!!」
後ろにいた16人も一気に立ち向かってきた。
さすがに危ないと思ったのか、繭も加わろうと
したが、奈央に引き止められる。

「離せ、宮崎!心配やないんか!?」
「あいつは強い。だから代理に選んだ」
「選んだって…?」
「見てみろ」
繭が見ると、残っているのはわずか3人。
しかもその3人は波瑠を怖がって近付こうと
しなかった。

「意気地なしみたいですわね」
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