kenka2
『‥‥!』
私しか、いない。
彼女の代わりを努める者は。
これは私の罰だろう…
親の了解をえて、利津は
高校を卒業したあと
呉羽に行くことになった。
一切の心を閉ざして。
「私はー当然のことをした。
直が死んだのは私のせいだ。
危険だって分かってて、あいつを
止めなかった…」
透き通るような悲しい瞳。
直を失った穴が、まだ塞がってない
みたいだった。
「利津さん…」
「やっと名前で呼んでくれたな」
「…利津さん」
「気にしなくて良い。
お前は、私と関係ない」
「関係ない…?」
「自分の事だけ気にしとけ。
いつまでも勝てねーぞ」