kenka2
薫は立ち上がりユウの腕をつかんだ。

ユウはつかまれた腕を見て、
嫌そうな顔をすると薫を睨む。
「お前も来い」
「あなた様ほどの人なら一人でも
十分っすよ」
「私は頭が悪いんだ。頭脳的に分からない
事があったらお前が必要になる」
「…必要?」
言葉は風でかき消され、ユウは
薫に連れられて走っていった。

「3年1組はあそこっす」
階段を下り、教室の前につく。
薫は反応せず、歩き始めた。

ー無視か。コイツは、
扱いずらいかもしれない。
そんな事を考えているうちに、
薫は1組の前まで着いていた。

警備として、必ず
一番弱い奴が出てくる筈・・・。
「お手並み拝見だ…山田薫」


ユウは笑顔になると、
薫のいる位置まで歩いた。
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