kenka2

ドガッ

誰かが蹴り、ユウは開放された。
その人物はユウと背中合わせに立つ。
「…薫!?」
「1人でこんな人数相手なんて無茶だ」

ちらっと利津の方を見ると
彼女は隅で休んでいた。
ーなめた野郎だ。ユウを助けたこと、
あとで後悔するだろう。
まあ良い。これも計算のうちだ。
ユウは笑って薫に言う。

「背中、任せた」
「私もだ」

ドゴッ

2対40の喧嘩が始まった。

ドサッ

寧々が思い切り地面にひれ伏せる。
奈央が拳を握りながら寧々を見下ろす。
その瞳は怒りを秘めている。

「はぁ、はぁ…」
奈央は寧々の胸倉を掴むと、1発殴った。
寧々も負けじと一発殴る。ふらつく奈央。
2人は全くの互角だった。

あたしがおされるのは互角になってから。
油断する訳にはいかない…。

「ぅおおおッ」
「ぅッ」
また1発殴られる寧々。今度は反撃せず、
その場で硬直した。そして血を拭きながら
微弱に微笑んだ。

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