kenka2

「岸沼と残る5校で手を組んで、
呉羽を潰すつもりみたいなんすよ。
この人たちは。ふふっ」
それの計画に驚く波瑠。
今まで冷静に物事に接してきた彼女も、
その事実には焦りを隠せなかった。
しかしすぐに心を整え、冷静を装う。

「あなたも呉羽の人間でしょう?
困るのはあなたも同じですよね」
                 ・ ・ ・
「当たり前でしょ。ユウも、呉羽を愛する
人間すから。だから交渉してあげたんすよ~。
条件をつけてね。これさえ守れば、呉羽には
攻めないみたいっすよ」
「へぇ…何です?」
「お前ら最強軍団が解散して警備を薄くすること」
「!」

ナジカが口を挟んだ。

ー解散?そんなの無茶に決まっている。
偽善な正義のふりをして、私達を本当に
潰そうとしているのは…この裏切り者だな。
波瑠は横目でユウを睨む。

ユウは「べー」と舌を出し、笑った。

「お断りすると言ったら?」
「決まってるだろ?」
寧々が立ち上がり、指を鳴らした。
ポキポキいう音に波瑠は警戒している。
何が起こるのかその場にいる人は
理解しただろう。

「…利津…」
波瑠はそう言うと、鞄を置いて同じように
指を鳴らす。目を閉じながら手を伸ばし、
開けた瞬間に寧々を睨んだ。
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