kenka2

プルルル…
音が聞こえてくる。
廊下からだった。

ガラッ
扉が開いた。
波瑠が立っていた。

「…何があった」
利津がそう問うのもおかしくない。
波瑠は怪我をしていた。頬には
バンソウコ。あちこちに痛そうな
あざや傷がある。


「階段から落ちてしまって」
作り笑いだということは誰にでも
分かった。利津は波瑠の傷を見て言う。

「本当のことを言え」
真っ直ぐな眼差しは、波瑠を
見て言っている。波瑠はしばらく
利津を見てから言う。

「…すいません」
「岸沼の奴らだろ?」
「いえ。正確に言うと、他の5校もです。
呉羽を潰そうと協力しているみたいです。ただ
最強軍団が解散すれば助かると言われました。
だけど私は納得しなかったので…」
「喧嘩してきたって事か」

沢山の人がいたに違いない。
そんな人数の中で病院送りにされず、
この程度の怪我で済んだのは波瑠だから
だろう。脅しのつもりなのか…?
利津は色々考えた。波瑠は真剣な目で
利津を見守る。

「…-解散するか」
「!!?」
その場にいた全員が驚いた顔で
利津を見た。彼女の目に迷いは無い。
本気なのだろう、と確信する波瑠。

「そんなことしたら、奴らの思うツボや!」
「どっちの選択をしても呉羽を潰す気ですよ、
奴らは…!そんなの間違ってます!」
繭と憂は反論する。利津は相槌をうち、
波瑠に問いかける。

「お前はどう思うんだ」
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