kenka2
薫はユウから電話が掛かって来た
事がうれしくて、何も考えずに走り
出した。岸沼校の近くと言う事に、
何の疑問も感じなかった。
たまたま教室から校庭を見ていた
憂は薫の姿を見て不振に思った。
「-あいつ…」
公園につくと、ユウが居た。
その切ない後姿を見て胸が騒ぐ。
ユウは薫に気付くとこちらを見た。
笑顔で近付いてくる。
「久しぶりっす」
「…ごめん、ユウ。お前を裏切る
ような事言って。もう言わないから…」
「分かってる。お前はユウのダチだ」
「ユウ…」
安心する薫。するとユウは近付いて、
薫を自分へと引き寄せた。片手で薫を
支える形になり、耳元でささやく。
「呉羽はどうなの?」
「ああ…最強軍団が解散したみたいだ」
「ホント?」
ユウはそれを聞いて、とっさに
薫には見えない右手で携帯を開く。
そして、メールを打つ。
薫は気付かずユウと話している。
<今だ>
薫の打った内容はこれだった。
ザッ
いきなり不良たちが現れた。
岸沼、矢方、吉良校の生徒が
一見見て30人は居ただろう。
ユウはとっさに薫を離す。
「何の用?」
ユウが強気で言うと一人が答えた。
「お前ら呉羽の奴だろ?目は摘まなきゃ
駄目だと思ってな。お前ら、潰す」
「下がってろ、ユウ」
薫が鞄を置きユウの肩を叩く。
「でも…」
「良いから。お前に怪我させたくないんだ」
「なめた野郎だ!お前ら2人とも、逃がさねぇ」
「うぉおおお!!」
喧嘩が始まった。