kenka2
繭は一年生達を見ると、
「邪魔だ、どけ!」と言って
立ち上がった。そして、
口についた血を手で拭く。

「骨はあるみたいやな。名前は
なんて言うんや?」
「話している暇は無い。さっさと
ケリをつける」
「天邪鬼やな~」
今度は繭が一発入れると、薫は
すぐ殴った手をつかんで逆に殴る。
繭がその隙に後ろから思い切り蹴ると、
薫はしばらく硬直してから後ろを見た。

「!お前…どっかで」
繭が言いかけたその時。

ドゴッ

薫のストレートが入った。
今度こそ1年達が近づいても、
繭は何も言えなかった。

「油断してるのはお前だろ?馬鹿」
机に座っていた女性が、立った。
繭を見たあと、皮肉そうな顔をして
薫を見た。

「最強軍団の一人、憂だ」
ーここまでは去年と同じメンバーか…
ユウは頭を働かせながら見ていた。
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