kenka2
「探したぞ」
「!!」
ふとユウは後ろを振り帰る。
同時に震えるユウ。

「寧々…!」
寧々は怪しい微笑みを浮かべる。
そして、ユウに近付いた。

「聞いたよ。任務は遂行しなきゃ
駄目じゃねーか」
「気分が悪くて。体調不良っす」
「とんだ邪魔ものだな?」
一瞬ドキッとするがすぐに
冷静になる。

「何のことすか」
「言わなきゃ分からないか?」
「!」

ドガッ

「ぐ・・・っ」
ユウは痛そうに頬をおさえる。
ジンジンとして赤く腫れていた。
危険人物だな…寧々は。

「目的を果たさなきゃ、お前は
必要ねぇんだよ。何の為に呉羽の
野郎を岸沼にいれてると思うんだ」
ユウは怒りの目で寧々を見る。
寧々は怯える様子も無く、ユウの
首を掴んで言った。

「お前は利用しているんじゃない。
利用されてるんだよ!!」

ドガッ

思い切り吹っ飛ばされるユウ。
頬があざを作り、血が滲んでいる。
ここまで痛いパンチを貰ったのは、
久しぶりだ。何か懐かしい気がした。
こんな状況で何を考えているのだ、と
自分でも自覚していた。
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