kenka2

「拳でしか伝えられない想いがある。
もう私は迷わない。怠慢だ。…ユウ!」

ー怠慢?
ユウの頭に矛盾が線を結んだ。
私はこの者が大嫌いだ。だけど…。

「もちろんお前の傷が癒えたらだ。
お前の家は呉羽だ。好きに来れば良い」
それだけいうと薫は去った。

「…」

薫に冷たくされたことで、
ユウの中では今まで無かった
感情が芽生え始めていた。

憂は薫の無事を確認すると、
歩いて帰っていった。


「やっぱり、あたしを憎まない
ハズがありませんもんね。あなたが」
岸沼中の校庭で睨み合っているのは、
利津とナジカだった。

「安心しろ、あたしは直みたいに情に
熱いわけじゃない。お前を殺したりは…
多分しないさ。保証はしないがな」
「あんたと喧嘩するのだけは、遠慮
したかったんだけどね。双子のあんたは
直より強いのかな?弱いのかな?」
「殴られてみれば分かる」


そして、岸沼中の体育館では
奈央の寧々が睨み合いをしていた。

「直さんの約束を、果たす。
今日で最後にしてやる」
「お前に出来るか?お前は知らない。
あたしだけが知ってる直の本当の狙いを」
「!本当の……狙い?]
「勝ったら教えてやる」
寧々は構えた。奈央も構える。
ゆっくりと息をすう。
利津も同じ動作をした。

「うぉおおおぉ!!」


最後の戦いが、始まった。
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