kenka2

『まて』

寧々は直を引き止めた。
直は無邪気な目でこちらを見る。
そのまま何だ?と聞き返した。
その姿に寧々は興味を持った。
ーこいつは強いだろう。

『部下の落とし前は、上司がつける
ものだろ?あたしと勝負しろ』
『やだよ、仕事あるし』
『先に挑発して来たのはお前だろ!』
『そうだっけ?わりい』
素直に謝られ、ポカーンとする寧々。
直は思いついたように言った。

『お前、岸沼校の奴だろ!?あたしは
呉羽の総長やってる。お前が岸沼校の
総長なら、領域争いで戦えるぜ』
『総長…。お前、名前は何だ?』
『すなお』
『直…』

それから何ヶ月もたって、寧々は
ようやく総長へとなった。
領域争いで久しぶりに直に再会した。

直はもちろん寧々のことを覚えて
いた為すぐに笑顔で寧々に近付いた。
あの時と同じように、無邪気な笑顔で
話しかけると寧々も笑った。

『嬉しいよ、戦えて』
殴り合ってる最中に直が言った。
寧々も笑いながら頷く。
しかし、その直後だった。

二人の周りをヤンキーが囲んだ。
不良校が噂を聞いて、直と寧々を
狙いに来たみたいだった。
直と寧々は背中合わせになる。

『はははっ』
笑う直に寧々は言う。
『この状況で笑えるか?』
『燃えるじゃねーか。怠慢より
乱闘の方があたしは好きだな~』
何だこいつ、と寧々は微笑む。
そして周りを見渡した。
笑顔で直も同じことを言う。

『行くぞ!!』
頭では無く、普通のヤンキーの
集まりだったため直ぐに敵の数は
減っていく。5分たつと、もう
二人以外は倒れていた。
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