今カノの私と元カノの存在
※プロローグ※
「ちゃんと話しておいでよ」
「はい」
「あれだったらうちにおいで?」
「はい。ありがとうございます」
金曜日
定時で仕事を切り上げた私は、アヤ先輩からの言葉に、力強く頷いた。
駅まで走って電車に飛び乗る。
向かうのはここから20分程かかるシュウさんの会社。
営業のシュウさんは私よりも帰りが遅い。
それは今までの付き合いで分かってる事実。
はやる気持ちを押さえて深呼吸した。
――――向かい合う……
決めたんだ。
シュウさんと話そうって。
もう……
自分を作るのは止めようって……
< 1 / 208 >