今カノの私と元カノの存在
ドア越しに電話で話す声が聞こえて。
それがすごく楽しそうで。
耳をふさぎたいのにふさげなくて。
気持ち悪くて吐きそうだった……
それしか覚えていない。
「そっか。で、その元カノには今彼女が来てるとか言わなかったの?彼は」
「途中で気持ち悪くなって、トイレに駆け込んだんです」
「もしかして、ケイちゃんの胃痛って神経性?」
思わず頷いて。
ハッと顔をあげたのと同時に深い溜め息が聞こえた。
「それで?その後どうしたの?ちゃんと話した?」
「……いいえ」
「何で?それだけの証拠があって、何も言わなかったの?」