今カノの私と元カノの存在
電車を飛び出した私は、鞄に手を入れながら走っている。
取り出したのはプリントアウトした地図。
渡してくれたのはアヤ先輩。
『ちゃんと話し合っておいで。遅くなって家に帰られなくなったらうちに来ていいから』
そう言って。
アヤ先輩と過ごしたカラオケボックスでの時間。
あの時間がなければ。
苦しくて、ただ泣いていただけ。
でも、今は違う。
駅へ向かう人の流れを逆流するように進む。
地図で何度も確認して、知らない道を走る。
周りにどう見られてもいい。
ただ、今はシュウさんを捕まえる事が先。
今しかない。
今しか……