今カノの私と元カノの存在
「この……あたり……」
弾む息をやり過ごしながら地図を見る。
見渡すけど、手書きされたシュウさんの会社があるビルは見当たらなくて。
頭の中で走って来た道を整理する。
間違ってないよね。
合ってる、合ってる。
もう少し先かな?
歩き始めた時、すれ違った人の持っていた封筒に目がいった。
そこにはシュウさんのいる会社名が書かれていて。
「あっ、あのっ」
思わず声をかけていた。
ひと回り以上年上のその人は、丁寧に道順を教えてくれた。
頭を下げて言われた通りの道順を進む。
ひとつ筋を間違えてたらしく、やっと目的のビルを見つけた。