今カノの私と元カノの存在
オフィスビルでたくさんの会社が入ったその入口からは続々と人が出てくる。
携帯を取り出し時間を見れば、シュウさんの退社時間だ。
メールの画面を開いて文字を打った。
送信するとき、一瞬ためらう。
金曜日だし、もしかしたら接待があるとか。
約束があるとか。
ブルブルと首を横に振る。
取りあえずダメ元と、念を込めてからメールを送信した。
と、同時に……
自動ドアから数人のサラリーマンが出てきて。
その中に会いたかった人がいる。
胸ポケットから携帯を取り出したその人。
「シュウさん……」
"今すぐ会いたい"
メールにはただその一言だけ。