今カノの私と元カノの存在
時間も遅いせいか割引のシールが貼ってある。
「美味しそう」
「じゃあ、買って帰る?」
「うん」
店内でどれにしようか迷っていると、横で同じように悩むシュウさん。
その姿が少しおかしくて。
「え?何?」
「何でもない」
元カノの事がいつも頭にあって。
こうしたシュウさんの姿をちゃんと見てなかったかもしれない。
そして自分自身も。
常にその影におびえて。
嫌われたくなくて。
ずっと自分自身を押し殺して……
「これ。これにする」
「じゃあ俺も同じものにしようかな」
「決められなかったから?」
「違うよ」