今カノの私と元カノの存在
独り言に気付かなかったシュウさんの背中がキッチンの奥へ消える。
「バカだな。まだこれからなのに」
向き合って。
お互いを知る事から始めなきゃいけないのに。
シュウさんが好きで。
好きで。
好きで。
私さえ我慢すれば。
私さえ知らないふりをすれば。
この2人で過ごす時間は約束されてるのに。
でも、半年でこれだけ辛くて、体調も崩してしまって。
この先の事を考えると、このままじゃいけないっていうのも分かっている。
だから……
「ちゃんと、向き合う」
口にする事で自分へ気合を入れる。
ブーツを脱ぐと、シュウさんを追いかけるようにキッチンに入った。