今カノの私と元カノの存在
――――シュウ……
「うん」
「シュウ……って呼んでいい?」
「うん」
絶対、呼べないと思っていた。
でも自然と零れた名前。
『シュウさん』から少しだけレベルアップした。
きっと、彼の本心を聞けたから。
だから……
「シュウ、私ね、ホントはすごく子供だしワガママだし。バカだし言われた事しか信じられなくて」
「うん」
「だから、ちゃんと話して?じゃないと自分で勝手に考えて、落ち込んで……」
触れあうのは唇同士。
少し椅子から体が浮き上がって。
長い睫毛が伏せられた顔がすぐ近くにあって。
チュッと音がしてから離れる。