今カノの私と元カノの存在
「雪……」
手のひらで溶けて水になるそれは、今年初めて見るもの。
ホワイトクリスマス。
って、そんな場合じゃない!
走りだそうとして。
少し先で同じように手を差し出して上を向いている人がいて。
その姿は、早く会いたいと願っていた人。
その人が、ふと目線をこっちに向けた。
「シュウ!」
差し出していた手を顔の横で小さくあげて。
その穏やかな笑顔に胸がホッコリと暖かくなる。
あぁ、やっぱり好き。
そんな風に思う事に苦笑する。
早く、早く。
私は大好きなシュウに向かって駆け出していた。
fin