今カノの私と元カノの存在



「先、シャワー使う?」


「後でいい」


「じゃあ、先に入るから」



シュウさんの気配が遠ざかる。


思わず布団を顎まで引き上げた。



体に残るシュウさん。


それが嬉しくて。


思わずギュッと掛け布団を抱きしめた。



優しくて。


私を気遣ってくれたシュウさん。



何が何だか分からなくて。


ただ、シュウさんにしがみついていただけ。



「はっ、恥ずかしい……」



求められるのが嬉しかった。



今、シュウさんが見ているのは私だけで。



付き合って初めて、私の中から元カノが出て行った。



シュウさんしか見えなくて。


布団から手を離し、両手を伸ばしてみる。





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