幼なじみ恋愛
「幸せな悩みね」


「幸せな悩みなんかじゃ…っ!」


この悩みのせいでどれだけ眠れなかっただろう。

どれだけ晴を傷つけただろう。


「もし…ね?10回のうち1回しか言葉にできなくても、想いはカレには届いてる。素直になる事がいいことなんかじゃない。言葉がなくても想いは届くのよ。あなたが気持ちを我慢して、吐き出さないならカレはきっと傷つくわ。あなたのそういう部分も含めてカレは“陽菜”という存在に惹かれたんでしょうね。だから、あなたはあなたなのよ………他にはいない世界でたった一人のあなたなのよ」


「……」


あぁ、相談して良かった。


やっぱり理恵さんだ。
出会って数時間しかたってないのに、私は理恵さんが大好きだ。



「さぁ、花嫁さん。もう後ろを向かないで下さい」


「ありがとうございました」


扉に手をかけた時に、


「太“陽”が出るから“晴”れる。“晴”れるから太“陽”がでる。違いますか?あなた達は繋がっていますよ」


理恵さんの言葉を最後に控え室を出た。


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