たった一人の君へ〜二人の運命〜
バカっバカっ
京介のバカ

優しくなんかしないでよぉ




一度泣き出したら止まらない
人前で泣いたのはいつぶりだったんだろう





お姉ちゃんは泣いてはいけなくて、両親の前でも物心ついた頃にはもう泣けなかった




友達や彼氏の前でも、強がるしかできなくて、でもそうやって自分を守ってきたから、これでいいって思ってた




涙は女の武器なんて言うけど武器にさえ使ったことはない




弱みを誰にも見せられなかった





だって…弱みなんか見せれるほど心を許せる人なんかいなかったんだもん





ヒックヒック

ついには引き付けを起したように泣いた




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