たった一人の君へ〜二人の運命〜
一番に応援してあげたいのに、できないよ





「ねぇ加奈…
やってみて後悔するよりも
やらなくて後悔するほうが俺は辛いと思う」





何それ
分かんない分かんない
京介が傍にいてくれなきゃ、あたしどうしたらいいか分かんない






「分かんないよ、京介
どうしても行くの?」




「うん」




「あたしと離れても?」




「うん」



離れてもいいんだ
あんたもみんなと同じだよ



それなら最初から優しくなんかしないでよ
バカみたい





「加奈、ごめんね」



何の謝罪だよ



「もういい!勝手にしたら?」






京介を置いたまま、あたしは公園を飛び出した




もう知らない…
知らない、あんなやつ





出来るかぎりの早さで自転車を漕いだ

京介は追いかけてこなかった



それがまた悲しくて、坂道を下りながら泣いた



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