たった一人の君へ〜二人の運命〜
次の朝





目を覚ますと、隣に京介がいた
抱き合って…そのまま眠ってしまったんだ






京介は背中をこちらに向けて寝ている
あたしの寝相と同じように丸まって眠っていた





その背中を見て思う
とても愛しい…





背中を抱きしめる
体温の高い温かい、その体は甘い香りがして、とても安らかな気持ちだった





あれ…この感じ…
知ってる
どこかで…





ゆっくりこちらを向く温かい体





「加奈…おはよ…」


まだ寝ぼけながらあたしを抱きしめる京介





温かい



そうか、デジャヴ
あの日見た夢と同じなんだ



切ない、愛しい
顔も分からない背中にそう思ったんだ






あれは京介だったんだ






あの時は、そんな気持ちになんかなるわけないと思っていたのに…
今はその気持ちがよく分かる






京介はやっぱり運命の人





あたしは京介をずっと待っていたんだ





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