たった一人の君へ〜二人の運命〜
後ろ姿を見送って
美幸とチャリの二人のりしながら、学校を出た



小柄な美幸はいつも後ろ

150センチに満たない美幸が、160センチのあたしを乗せてチャリを漕いでいたら、いじめのようだもん



「ねぇ加奈、本気であんな子と付き合う気?」



柔らかい風を受けながら、前へ前へ漕いでいく

今日は夕焼けが綺麗なオレンジ色



「本気だよ?」



「めちゃめちゃ冴えないじゃん」



確かに…

さっきの彼を思い出す

今まで付き合った彼氏の中でワースト1?


茶髪にピアス、化粧ばっちりのあたしに近寄ってくる男は
似たようなチャラいやつばっかで、彼のような真面目っぽい男の子はいなかった



「今彼氏いないし、暇つぶしだよ」



「彼氏いないって、加奈と付き合いたい子なんか山ほどいるじゃん」



山ほどって、あたしはアイドルかい



「あんなに堂々と告白してくれたのに、断っちゃ可哀想じゃん」



「まあね…」



それに、美幸には言わないけど
あたしにとっちゃ付き合うなんて重みのあるもんじゃない



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