たった一人の君へ〜二人の運命〜
すぐにメールの返信は来た



<加奈どうした?体調悪いの?>


優しいそのメールにまた涙が溢れてくる





京介はきっと知らない



あれだけ父親を憎んでいる彼のことだ
知っていれば同じように別れを選ぶハズ





京介は知らない


何も知らない京介に本当のこと言えるわけない






君が一番憎んでいる父親の力を借りてあたしが生活しているなんて知られるわけにいかない





そのままメールの返信はしなかった






< 216 / 362 >

この作品をシェア

pagetop