たった一人の君へ〜二人の運命〜
帰り道は涙で滲んで前が見えなかった



「っく…京介ぇ…」



京介と付き合い出してから、あたしまで涙腺弱くなっちゃったよ



「京介…っく…好きなのに…」



でも、涙を拭ってくれていた優しいその手をあたしは自分からはね退けてしまった



あんなに悩んで決めたことだったのに、現実になると苦しい




何食わぬ顔して一緒にいたらよかったの?
こんなに苦しいなら別れなくてよかったの?





まだ心は揺れている





ううん
これでいい
これしか選べなかった





「うわぁぁ」



公園から離れた道端でうずくまって泣いた



京介



京介



京介ぇ





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