たった一人の君へ〜二人の運命〜
「京介は父親のこと知らないのか?」





「京介は知らない
だから離れたの
知れば傷つけるだけだもん」





このまま普通に別れて
京介が新しい一歩をうまく踏み出してくれたら
あたしはそれでいい




「加奈、本当にこれでいいの?」



「うん。これでいい
一杯考えて決めたんだ」




そうだ、あたしが決めたことなんだ




「なら、俺たちは何も言えないけど、でも京介のためを思って別れを決めたなら
お前がこんな風に自暴自棄になってちゃいけないんじゃないのか?」



「…」



自暴自棄か…



< 242 / 362 >

この作品をシェア

pagetop