たった一人の君へ〜二人の運命〜
「京介、加奈に別れようって言われたって泣いてたんだぞ」





泣いてたんだ
最後の笑顔は精一杯の優しさだったの?





「でもあいつ、頑張ってる」





「京介くん大学受かったんだよ」





受かったんだ
よかった
京介が幸せならいい







「東京行きが決まって、辛いのに自分の足で踏ん張ってる
前向いてる
加奈もそうしなきゃいけないんじゃないのか?
誰よりも京介のために」



京介のため…



「でもあたし分からない
どうしたらいいか分からない」



頭が混乱する






「じゃあ何で別れたの?
お互いの道を進めるように別れたんでしょ?
加奈が進まなきゃ京介くんだってきっと進めないよ?」



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