たった一人の君へ〜二人の運命〜
「東京は人が多そうだよね
電車とか満員だよ、きっと」




「ハハハ、そうだね
だからバイク買ったんだ」



「バイク?」



初めて聞いた
免許持ってたんだ



「うん
向こうに送ってもらうんだ」




あたしの知らない京介が、これからたくさん増えていくんだね

やっぱり寂しいよ






「少し、痩せた?」


京介があたしの頭を撫でる




そうだよ
あれから5キロも体重落ちちゃった




「そうかな?体重変わってないよ」





心配しないで
大丈夫だから





「加奈は頑張り屋さんだから、これからも無理しちゃダメだよ
約束」





「うん」





頷くだけで精一杯




泣かないんだから




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