たった一人の君へ〜二人の運命〜
「俺、加奈に会えて幸せだった
だからこれからも幸せでいてね
ずっと祈ってる」





くしゃっと笑う京介

この笑顔がたまらなく好きでした

焼き付けておこう

ずっと忘れないように





こんなあたしたちでもちゃんと笑い合える


一緒にはいられないけれど
京介がどこかで幸せに生きていてくれるなら、あたしはそれで生きていける






「元気で」






最後に握手をして二人は離れた








最後まで京介の手は温かかった







終わったんだ
本当に終わりなんだ






顔を上げると青い空が続いていた







あたしは生きていける






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