たった一人の君へ〜二人の運命〜
暑い





東京に着いて始めに感じたのは暑さだった

高く昇った太陽が出迎えてくれる

持っていたハンドタオルで汗を拭って、足を進める






ここが京介の新しく住んでいる街


行き交う人の波

立ち並ぶ大きなビル

無意味にデかい看板

それだけで圧倒されてしまう






こんな場所で生きてるんだ
田舎もんのあたしにはテレビドラマの世界だ







「京介の兄貴が迎えに来てるはずなんだけど…」


そう言いながら慎二くんが携帯で電話をかける





京介のお兄さん

あたしが会っていいものなのだろうか






愛人の子供
消えないあたしのレッテル




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