たった一人の君へ〜二人の運命〜
「あら、お兄さん、お母さん今一旦帰られたわよ」


3つめのベッドの横にいたナースがお兄さんに言った

緊張感の中でナースの笑顔が浮いて見えた







お母さんいないんだ

少しホッとした

合わせる顔がない






ピッピッ

心電図の音が鳴り響く

京介の鼓動の音






「みんな来てくれたぞ」


ベッドで眠るその人にお兄さんが声をかける







あたしたちは恐る恐るベッドに近寄った






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