たった一人の君へ〜二人の運命〜
シューシューと空気を入れるような音がする
おそらく、人工呼吸器の音






「京介…」


彼は目をつぶり眠っていた







口からは呼吸器の管

無数の点滴

体から伸びる医療機器

頭に巻かれた包帯






眠っているその顔だけは綺麗だった







姿を見た途端に想像がリアルに変わっていく





「京介…」


自然に涙が溢れていた






京介、どうしてここに眠っているの?






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