たった一人の君へ〜二人の運命〜
「おぃ!京介!」

慎二くんが声をかける



でも彼は返事をしない






思わずあたしは京介の手を握った



あったかい

よかった

京介はまだここにいる

生きてる






「京介…加奈だよ…」






全く動かない手

握り返してさえくれない






君の幸せを願っていたよ

だから離れたんだよ


どうしてこんなことになったの?






ただ目を閉じて横たわる体
長いまつ毛

薄い唇


京介、あたしはまだこんなにも君が愛しいよ







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