たった一人の君へ〜二人の運命〜
京介…


涙が溢れた







「京介はっ…
あたしに流れる血を憎んでないんですか?」








「憎むどころか、それでも感謝してたよ

『加奈とこんな繋がりがあったなんて思わなかったけど

それでも、こんな形の二人でも
出会えて好きになれた運命に感謝したい』

そう言ってた」








あたしは出会った運命を憎み、京介なんかと出会わなければよかったと思ったのに…






「京介…」






「だから、真実を聞いても、君への思いは全く変わらなかったんじゃないかな


『たとえ最後は嫌われても
加奈が真実を知って別れを告げられるまでは
一緒にいたいんだ』

笑いながらそう言ってたから」







もう我慢できなかった




京介のあたしを思う気持ちが大きくて
人目も気にせずに泣き崩れた



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