たった一人の君へ〜二人の運命〜
「あたしっ…
あたしはっ…いつも自分勝手で…
別れを選んだのも…
京介のためなんかじゃない
自分のためなんです…


あたしなんか…京介にふさわしい子じゃなかったんだ…」







「それは違うよ

君のこと話す京介は本当に幸せそうでね

それまで恋愛なんて文字さえなかったのに
君のために格好よくなりたいって
君のために強くなりたいって
いつもそう言ってた」






「…っく…っく…」







「父親のことをただ憎むだけだったアイツが、君に出会ってからは
父親より偉くなりたい
君を守ってあげられる強い男になりたいって


あんなになよなよしてたのにね

それは全部君のおかげなんだよ」




< 289 / 362 >

この作品をシェア

pagetop