たった一人の君へ〜二人の運命〜
両親の仲が冷えきってきた原因は、パパの借金だった



それまでは平穏なサラリーマンだったパパが、会社を自主退職し、事業を興したのが、始まりだった

といっても、すぐに借金ができたわけではない




バブルの波に乗ってパパの興した会社は、成功を収めた


かなり羽振りのいい生活に変化したのは、あの頃のあたしでもよく分かった


食卓は高級食材が並び、家具はみるみるうちに新品ばかりが並んだ


休みの日には決まってデパートで買い物をして、夜はレストランに外食に行った




あたしに対しても、両親はよく物を買い与えてくれた




今思えば家族の一番良かった時間だったのかもしれない



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