たった一人の君へ〜二人の運命〜
午後3時


約束の時間に病院へ帰ってきた






「加奈ちゃん!」


病棟の前まで来るとお兄さんが迎えてくれた






「ご両親は?」




「今丁度二人で話し合いに喫茶店に行った」






そっか…
よかった




「ホテルありがとうございました」




「いいのいいの
それより、京介今日一般病棟に移ったんだ」



「じゃあ意識が?」

わずかな希望が広がった






「いや、意識は戻ってない
呼吸状態が落ち着いて、呼吸器が外れたんだ
一旦危険な状態からは逃れたみたいで、それで一般病棟に」





「そうですか…」


まだ意識ないんだ…


それでも危険な状態から脱したのだから大丈夫だよね…





「103号室だから
俺も、ちょっとそこに買い物行ってくるから、しばらく二人きりで話しなよ」





「すみません」




何から何までお世話になりっぱなしだ




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