たった一人の君へ〜二人の運命〜
全く気付かなかった



「京介辛かっよね…
一人で抱えて…

気づいてあげれなくてごめんなさい…」



ギュッと強く抱き締めた




「ううん
最初は…

やっぱり…いろいろ考えたけど…

結局…
加奈のことが好きすぎて、
他はどうでもよくなった…」



ゆっくりと話す優しい声

本当はあたしが思うよりも深く傷付いてたくさん悩んだんだと思う
それでも彼はあたしと一緒にいることを選択してくれた
自分の思いは全て心に閉まって…




それがどんなに辛いことだったか…






「あたしは親のことを知って別れを選んだのに…」





こんなあたしを許してなんて言わない
でも何を言われても、京介の傍にいたい






「加奈が…


それを…選んだなら
それが正しいんだよ…


だから…謝らないで…



いつだって…加奈が…
幸せな道を歩んでくれたら


それでいいんだ」




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