たった一人の君へ〜二人の運命〜
玄関から続く廊下を歩き、寝室の前を横切る




寝室のドアを見ると、顔もよく知らない社長さんへの憎悪で一杯になった

いい年して汚らわしい




いっそのこと、パパもママも社長さんもみんな消えればいいのに

それよりもあたしが消えたほうが早いかな



いずれにせよ、もうこんな家うんざりなんだよ





2階に登り、一番奧の部屋に入った



白い壁で囲まれた6畳の自分の部屋

あぁここが一番落ち着く

唯一あたしの居場所だと感じれる



制服のままベッドにもぐり丸くなる

別に眠いわけじゃないけど、こうして一人で丸くなっている時間は落ち着いた




ここに一人でいれば、いろんなことに傷付いたり傷付けたりしないですむ





< 32 / 362 >

この作品をシェア

pagetop